『墨鬼 SUMIONI』公式サイトアクワイアより2012年2月9日発売予定の『墨鬼 SUMIONI』(PS Vita)。
アクワイア販売としては初となる本作の先行体験会に参加させて頂きました!
体験会の会場となるのはアクワイア本社、いつもお世話になっています。
『墨鬼 SUMIONI』は以前キャラバンで初めてプレイさせて頂いた際にとても好感触だったタイトル。
今回はほとんどマスターの状態をプレイできるということで意気揚々と参加させてもらいました。
■指が筆になり道を切り開く、新しいタッチアクション
今回触らせてもらったのはPLAYキャラバンの時とは違ったマスターに近いバージョンのもの。
基本的には変わらない感じですが、ストーリーからチュートリアル、そしてPLAYキャラバンの時には無かった攻撃方法などが試せました。
例えばタッチで書いた墨の上に長時間乗ってることで攻撃力が増すという仕様、これは確かPLAYキャラバンの時には無かったと思います。墨の利用方法は道を作る「道筆」、墨神を召喚する「一筆の儀」、炎や雷雲を呼び出す「術式」と様々、瞬時に限りある墨を上手く使いこなす判断力がステージ攻略への鍵となります。墨の残量は左上にあるので要注意、いざという時は背面タッチをこする事で徐々にではありますが墨を回復することが可能となっています。
「道筆」はステージのどこにでも書くことが出来る墨の道、この上は歩くことが出来るので下にいる敵や障害物を避けたりと一番使うことになるアクションだと思います。その他敵の移動を妨げたり、利用方法は墨がある時に書きたい場所にフリックするだけなので簡単。ついつい無駄に道を作りすぎてしまうので注意!
「一筆の儀」は召喚を行う際に書く一筆書き、Lボタンを押し画面下隅にあるマークを押すことでこの一筆の儀を行うことができます。左下と右下で呼び出せる召喚獣が異なり、全部で2種類。1ステージ中に好きな方を呼び出すことができ、もちろん同時に召喚も可能。必殺技と呼べるようなものなので、是非とも使いどころを間違えないようにしたい。体験会中試さなかったけど、書き順は適当だも召喚できるみたい、この辺は製品版か今度配信される体験版で試してみたいところ。
「術式」で出来る事は2つ、Lボタンを押した後に炎を出したいところにフリック操作で墨を書くだけ。ところどころにいる雑魚敵に向け細かく燃やすのもいいし、長く書いて広範囲を燃やすのも良い。そして「術式」ではもう一つ、雷雲を呼び出し一撃の高ダメージを狙うことも出来る。こちらは墨を大量に使う為、無駄遣いが出来なく狙いどころが難しいといった一面も。墨のレベルを上げ大量に溜めることで雷雲のレベルを上げる事も出来るが、体験会の時間では一段回しか無理でした。
基本的に1ステージの長さは短く、ちょっとやるって感じにちょうど良い。フローチャートで良い成績を出すと分岐点で違うステージに行けることができ、繰り返す事で様々なエンディングが見れるといったマルチエンディング方式。難易度的には最初は簡単かと思っていると後半になるにつれ一撃で死ぬ地帯なんかもあり、侮ってると何度も死ぬハメになる。
通常のステージを上手く切り抜け、途中途中にある大型のボス戦があるステージを楽しむといった感じ。ステージは進むだけじゃなく、一定時間耐えるものや後ろから追いかけてくる巨大な何かに追い付かれないよう逃げるといったものも。今回体験した範囲ではボス戦以外はある程度楽にクリアできた気がします、クリアするだけならですが…
ステージクリア後には評価があり、クリアタイムと被ダメージでこの評価は決まります。その他の制限は無いのでステージ中に何をしてもとにかく「クリアを早く」、「ダメージを受けない」ということにさえ気を付ければ評価は高くなります。今回適当にずらずら進めてたけど、評価は☆×2が多かったイメージ。恐らくダメージ受けすぎ…
『墨鬼 SUMIONI』では墨を使ったアクション以外にも「水筆」といった水を使うアクションがあります。書いた墨を消したりと更なる戦略が広がるアクションですが、体験会後に知った情報で炎に使うと水蒸気で攻撃できるとか。これは是非違う形で体験したい!というかもっと細かく教えてほしかった!ゲームに夢中で聞いてなかっただけ疑惑の方が多いですが。
■水墨画のような独特なグラフィック
これまでアクション面などゲーム内容について答えてきましたが、なんと言っても一番目をひかれるのはやっぱりこれまでの画像でも見て分かる通り水墨画をイメージさせるようなグラフィックだと思います。システムなどそういった面でもタッチを使い墨を使いと特徴的なタイトルとなっていますが、このグラフィックも人を惹きつける要素の一つじゃないでしょうか。ちなみに上の画像にいる鳳凰が「詠妃」、唐獅子が「獅導」で召喚で呼び出せる2匹の召喚獣となっています。
■『墨鬼 SUMIONI』、プロデューサー田村純一郎氏への質疑応答
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―― 本作のキャラクターデザインを手掛けているのは誰なのでしょうか?
田村氏:社内のデザインスタッフを起用しており、どこかに頼んでいるとかではありません。他の作品でキャラクターデザインなどもしておりません、制作などは行っていましたがキャラクターを描いたりとかは無いですね。
―― 墨をする操作が人によって色々だったんですが、社内ではどういったすり方が主流でしたか?
田村氏:スタッフでは縦が多かったですが、人によって様々ですね。効率が良いのは大きくすること、移動量を見ているので細かく刻むよりも大きくすることが大事です。
―― ステージ分岐しますが、先まで進んだ後に前のステージ分岐地点からやり直すとかはできるんですか?
田村氏:今回の墨鬼ではそういったプレイが出来ません、セーブしたところからやり直しとなります。幾つか成長アイテムを取っていれば最初からやり直し、成長した状態でよりやりやすくなった状態でプレイして頂くといった形になります。
―― ステージの分岐条件はどうなっているんですか?
田村氏:クリア後の星の数(評価)によって決まります。
―― 分岐が下に行けば行くほど難しくなるんですが、成長を引き継いで行った方がいいようなバランスになってるんですか?
田村氏:引継ぎ必須ではないですが、皆さんのプレイスキルによるので成長した方が良いとは思います。ゲームバランスでは最初から行けるようにはなっているので、初回で向かうことも可能です。
―― ステージセレクトが出来ないような仕様なのは何故ですか?
田村氏:スタッフが昔のアクションプレイが好きで、効率というよりは全体を通したプレイを楽しんでほしいっていう気持ちがあったんだと思います。ステージそのものの長さも短めなので、上手く攻略していくという道を見つけて頂きつつ最後のボス戦を楽しんでほしいと思っています。
―― near(ニア)には対応しているんですか?
田村氏:対応はしていません。
―― キャラクター閲覧などのおまけ要素は無いんですか?
田村氏:現状は用意していませんが、アップデートを予定しているのでギャラリーモードなどは考えています。
―― カプコンの『大神』は意識していたりしますか?
田村氏:一切意識しなかったといったら嘘になります、世界観やグラフィックの表現も良かったですし。そういった和的な要素が見たいと思っていたユーザーさんの為に『大神』では無い和的なタイトルを見てほしいとも思っていましたし、若干の意識はしていたと思います。『大神』とは違った和風タイトル、ジャンルも違いますし是非楽しんでほしいです。
―― 召喚で呼び出せる獣は2体だけなんですか?
田村氏:企画段階では案もあったんですが、極端に空と陸という風に分けた方がキャラクター性も出てくると思ったので決まりました。現状ここから増える予定はありません。成長要素も無く、技なども最初から全て使える形となっています。
―― 海外展開は最初から考えていたのでしょうか?
田村氏:一番最初の開発時期では考えていませんでしたが、開発していくうちに海外のユーザーに受けるのではないかという話も社内から出て、海外のパブリッシャーの皆さんにご紹介しつつ最終的にXSEEDさんから発売することが決まりました。
―― 墨をする原体験が日本人にはありますが、海外ユーザーには無いという部分はどう考えましたか?
田村氏:自分たちに無い文化を持っている部分がクールという、原体験からくるものより憧れなどからくる欲求が強い為に問題は無いと思います。
―― ローディング画面でランダムで死んだ回数などのデータが出ますが、これは何か関係あるんですか?
田村氏:ストーリーに絡むとかは無く、単純に履歴が見れたら面白いかなということで入れているだけです。
―― 攻撃方法が幾つかありますが、強弱について教えてもらえますか?
田村氏:強さで言えば墨の道の上に乗った状態でいると攻撃力が上がるので、その状態での突進などの特殊攻撃の組み合わせが一番強いと思います。墨を使うとなると、単発になりますが雷が一撃辺りの攻撃力は大きいです。ボス敵などの動きが少ない大型のものは炎を細かく使うよりも雷が良いと思います。
―― ステージクリア後の評価に関わるものは具体的になんですか?
田村氏:タイムと被ダメージになります。
―― ステージクリア後にリトライはできますか?
田村氏:ステージ途中のリトライなどはできますがクリアしてしまった後は出来ません。その辺はセーブを多様してほしいと思います。
―― PS Vitaならではというアピールできる部分はありますか?
田村氏:背面タッチでの墨回復は良いなと自画自賛しています。更に物理的なスティックがあるので、タブレット系などとは別格だと思います。新たなタッチでのアクション、物理でのアクションと楽しんでほしいと思います。
―― 召喚獣を呼び出す際の太さなどは関係あるんですか?
田村氏:あくまでもタッチの都合上のものなので、関係無いです。
―― 召喚獣を呼び出す時の書き順なんですが、これは書き順通りじゃなくてもいいんですか?
田村氏:書き順通りじゃなくても関係無いですが、書き順通りにすると召喚獣がイイ仕事をしてくれます。強くなった場合は、呼ばれた瞬間に若干フラッシュがのっているので分かりやすいと思います。
―― 一筆の儀のマークは後半形が変わったりとかありますか?
田村氏:なぞるパターンが変わるだけで、形が変わったりとかはありません。形についてはバリエーションがあった方が良いと思いましたが、複雑にしすぎても呼びたいという意思を阻害してしまうんじゃないかと思って。
―― 開発期間はどの程度のものだったのでしょうか?
田村氏:全体を含めて1年弱ぐらいです。
広報担当:現在まだ開発チームは動いているし、今も開発しています。先ほども伝えていますが、時期は未定ですが無料のアップデートなども考えています。内容は追って発表させて頂きますが、ユーザー同士で記録を競うランキングモードの追加やステージの追加なんかも…
■まとめ
総合的に言えるのはよくまとめられたアクションゲーム、ステージの長さやタッチの上手な使い方など上手く収められているタイトルだと思います。若干気になったのは質疑応答でも出ているステージの選択が出来ない部分、やはり最初からやるのが億劫になる人などもいると思うのですが、製作者側の考えが伝わるかどうかは製品版を実際にやってみてからですよね。1ステージが1ステージの長さが心地良くサクサク進めるので、普通にやってれば気にならないのかな。
そしてゲーム発売後も無料アップデートの予定もあるようなので楽しみ、ランキングとか他ユーザーとの対戦要素があるのは自分的に○、トロフィーとかも追加できたらいいのに。聞くの忘れてた。
まあ一番の見所は…
「光姫」の存在!もう光姫がいれば今まで自分が説明した事なんて意味無いよね!
社内のスタッフがデザインしたものでこれまで実績無いって言うのには驚いた、今後光姫みたいなのをメイン級に持ってきてもいいんじゃないかと思うぐらい!
と、興奮したところで『墨鬼 SUMIONI』、ここまで書き上げましたが体験版が1月25日に出るのでそこで確認してみてほしいと思います。体験版がどの範囲まで出来るのか聞くの忘れましたが、既にマスターで発売前ということもあり『墨鬼 SUMIONI』の面白さ自体は伝わると内容だと思います。
今回はプロデューサーの田村さん、広報の中村さん、そしてアクワイアの皆様、どうもありがとうございました!
アクワイア (2012-02-09)
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